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社会福祉法人 八生会 ケアハウス ゆやの里様

人材育成に力を入れています

団体情報

団体名社会福祉法人 八生会 ケアハウス ゆやの里
業務内容高齢者介護事業
所在地静岡県磐田市加茂395(ケアハウス ゆやの里)
静岡県浜松市東区安新町61-1(法人本部)
電話番号0538-30-6100
FAX番号0538-30-6330
ホームページhttp://www.hashoukai.or.jp/
お話八生会理事長 栗野 裕治 様

法人の概況を教えてください

社会福祉法人八生会は、創始者 栗野榮太郎氏の「老人福祉対策や地域社会の福祉増進に少しでも寄与したい」という想いから、1984年に設立されました。スタッフ20数名からスタートした、介護老人福祉施設「一空園」の開設を皮切りに、2012年現在までに、浜松と磐田エリア8カ所の施設を設立し、従業員はトータル370人以上となっています。

  • 介護老人福祉施設 一空園
  • 介護老人福祉施設 豊田一空園
  • 介護老人福祉施設 梅香の里
  • ケアハウス あんしんの里
  • ケアハウス ゆやの里
  • かやんばの家 デイサービス
  • デイサービス かみやしき
  • 佐藤ケアサポートセンター(介護予防デイサービス、居宅介護支援事業所)

「八生会」という名前は、釈迦が、正しい人生の歩み方として最初の説法で説いたという「八正道」の教えを、社会福祉事業実現に活かしたいと、名付けられました。「七転八起」の教えや末広がりの発展性や長寿を願う意味も込められています。
八生会では「ぷらすほほえみ」という月刊広報紙を編集制作し、2400部を発行。施設内だけでなく、行政や学校、ボランティア団体などに送付し、旬な話題を皆様に提供しています。
また今年4月に設立した「NPO法人ほっとすーる」は、生活するうえで困っている高齢者を、地域住民の手で解決していこうという、助け合いネットワークです。八生会のOB職員がこれまでのノウハウを活かし、掃除や草取り、電球交換はもちろん、カラオケ相手や旅行のお供など、介護保険では頼めない依頼に対応し、ニーズが高まっています。今日、みえて頂いたケアハウス「ゆやの里」は、今年4月にオープン。一階に小規模多機能型居住介護スペースがあり、ケアハウス、ショートステイとともに、通いのデイサービスも行う複合サービス施設です。どのサービスを受けても、顔の分かるスタッフが対応するため、認知症の方のケアも安心と高い評価を頂いています。

八生会ならではの特徴は何ですか?

私たちのポリシーは地域密着型。「地元に住みなれた方々が、永く自宅やその近くに住んで頂きたい」との考えから、利用者やそのご家族はもちろん、自治会や包括支援センター、地域の学校等ともコミュニケーションを取り、地域が一体になって高齢者をケアすることを目指しています。各施設で行う納涼祭などのイベントも、地域の方々にとって恒例行事になっているほど。それが高齢者の皆さんの喜びにも繋がっています。
こうしたサービスを充実させるためには、何より人材がポイントです。介護業界にはまだまだ3Kのイメージがあるようですが、八生会では、職場環境を整え、やりがいを持って仕事に向かってくれる人材育成に力を入れています。「一つの空のもと、全ての人が安心して生活できる社会を目指し、たゆまぬ努力を続けます」。これは私たち八生会の経営理念ですが、この言葉はトップが決めたのではなく、10年以上前に、行動指針と共に、職員が皆で話し合って決定しました。仕事はやらされるのではなく、自ら考えることが大切。そのため、アイデアを出したスタッフにワンコイン(500円)を進呈したり、研究発表会の優秀者には海外旅行をプレゼントしたりすることもあります。以前、八生会の優秀な看護師が、他の施設から講演依頼を受けたこともありました。日頃のスタッフの意識改革によって、スタッフ個人のモチベーションが高まれば、おのずとサービスの質も向上してくると思います。

今後のビジョンを聞かせてください

様々な制度が、分野ごとの縦割りになっている現状を見据え、私たちは基本的に専門法人として高齢者介護に特化していきたいと考えています。今後ますます高齢者は増え続け、現在の介護施設だけではパンクしてしまうことでしょう。そして、高齢者のための住宅整備など、民間サービスの利用が必須となってくることは間違いありません。こうした流れを視野に入れ、スタッフの人材を充実させていくことがなによりの課題です。八生会では、OB職員を73歳までアメニティスタッフとして採用し、活躍してもらっています。高齢者施設を高齢者自身の力で補っていく、それが当たり前の時代になるのも、それほど遠くないことだと思います。

組織をまとめるホームの要(副部長)原田 供枝 様のご紹介

保育士を経て、社会福祉の道に入り25年。八生会に務めて18年になります。入ったばかりで右も左も分からないときに、「豊田一空園」立ち上げに関わらせて頂いた経験はとても勉強になりました。八生会では、個人のスキルアップをとても応援してくれるので、私自身、ケアマネージャーや衛生管理者など5つの資格を取得することができました。また、仕事に関する改善策を提案すると、年功序列に関係なく取り上げて、バックアップしてくれるのも嬉しいことです。「自分達で創り上げているんだ」というやりがいを与えてもらえ、モチベーションアップに繋がっていますね。

職場環境も先進的で、早い時期に、各施設長にアイパッドが配布されました。会議内容はもちろん、事業の課題や検討事項などを一斉に情報共有できるようになっただけでなく、理事長と役員、スタッフ間のコミュニケーションツールとしても活かされています。ネット環境も充実しているので、勤務時間で研修等に参加できない人も、通信システムで内容を把握。共通認識が増えたことが大きなメリットだと感じています。

私自身、子育ての時には保育所に勤務。介護現場で働くようになってからは、二年前に父を看取り、介護する側とされる側の両方の立場を経験することができました。こうした経験を活かし、介護の現場で要になる人材を育てていくことが今後の自分の使命だと思っています。

私たちの仕事はマニュアルでできるものではありません。その場その場に合わせて、相手の身になって対応できる包容力を身に付けていかないと、事故に繋がってしまいます。毎日の生活全部が社会勉強で、職場に活かせる仕事です。ひとつひとつ大切に人と接することを若いスタッフに伝え、社会人として成長していってほしいと思っています。

心豊かな頼れる施設長 白木 孝典 様のご紹介

私たちの施設は、地域の方々と深く関わっているので、日頃からボランティアでバックアップしてくださる方が非常に多いのが特徴です。演奏会やマジックショーを開いてくださったり、食事や運転サービスに協力くださったり、高齢者の方々の話し相手になってくださる方もたくさんいます。地元の小学生たちが、気軽に施設に立ち寄ってくれるのも、高齢者の張り合いに繋がっているようです。また施設内に掛けられた絵や、飾り物なども、近くの方々が寄贈くださったものばかりで、本当に心が温かくなりますね。

施設自体も、これまで培った介護の経験を活かし、全室個室を完備し、手すりの太さや位置、色合いまで細かく検討して決定しました。

おかげで、今後10年20年経っても、使い勝手のいい施設だと思って頂けると自負しています。もちろん体格や生活様式がさまざまな方々が集まる施設ですから、住んで、使ってこそ分かることはたくさんあります。ご利用頂く方からは、気軽にご意見を頂いて、過ごしやすい空間に改善しています。その人らしく、私たちスタッフとも家族同様の意識で生活して頂くことが一番。通いの方、泊りの方、訪問サービスの方、それぞれの生活スタイルに合わせて、この「ゆやの里」を存分に利用して頂けたらと思っています。

施設の広告塔!(介護支援専門員)藤田 将行 様のご紹介

介護業界には15年。八生会に務めてもうすぐ3年になります。こちらの職場は、保育所が完備されているので、子供と一緒に出勤できたり、ノー残業デーに積極的に取り組んでくれたり、利用される方への配慮だけでなく、働くスタッフのことも大切に考えてくれるのが有り難いです。「ゆやの里」開所にあたっては、最初から関わらせてもらったのですが、建物が出来上がり、実際に運営に入ったときには、「こんなに大変なんだ」と正直驚きました。でも、自分のやりたいことにチャレンジさせてもらえるので、大変でもやりがいを感じています。

僕たちの仕事は常に人に対応する仕事なので、人間関係には気を遣いますが、いざという時に助け合うことができる体制作りは、日ごろのコミュニケーションが大切だと実感しています。
また、自分は相談員として対外的な方々とお話する機会も多いので、八生会の広告塔という意識を忘れず、先輩や上司のアドバイスを頂きながら、言動に失礼のないようにと心掛けています。今はまだ新しい施設なので、試行錯誤で進んでいるところもありますが、ご利用くださる方々のために、もっともっといろんな経験をして、自分自身を成長させたいと思っています。

“笑顔の現場主義社労士”村松のコメント

八生会の栗野理事長とは6年ほど前に初めてお目にかかりました。今でも記憶に鮮明に覚えています。それは、人事課長からお電話をいただき、八生会さんで毎年行っている全体社員研修会での講師のご依頼でした。当時は、私も開業数年目の一般的な社労士でノウハウもそれほどありませんでしたので、私の師匠の伏屋先生の助けを借りて研修を行いました。そのときから、八生会さんは「人材育成」に熱心な法人だなととても刺激を受け、私ももっと効果的な社員研修をきっちりできるようになりたい! と私の業務レベルのビジョンを高めるきっかけになりました。そして、今年6月には栗野理事長から静岡県老人福祉施設協議会西部支部主催の講演会で講演をする機会もいただきました。日頃から膨大な自己啓発をしていますので、今回は私ひとりの力でバッチリこなすことができました。内心、栗野理事長へ恩返しのつもりで精一杯がんばりました。そのようなわけで、人材育成に力を入れている八生会さんには以前から興味があり、きっと労務管理も特徴的なことに取り組まれているのではと思い、この度現場リポートさせていただきました。
八生会さんらしく、今までの現場リポートとは異なり、栗野理事長、原田副部長、白木施設長の3者が一堂に会して私と対談形式で会話がはじまりました。最近では、ノー残業デイの実施やバースデイ休暇を取り入れている会社はたまに見ますが、八生会さんはなんと社内に保育所までつくってしまったそうです。これは、働く人の環境を整えていかないと人材が育っても流出してしまう。私生活とバランスがとれた働きやすい職場環境をつくってあげたいという八生会さんの想いからとのことです。白木施設長と私のツーショット写真は社内保育所の前で写したものです。そして、藤田さんと娘さんの写真は保育所の前に飾ってありました。藤田さん以外にも何名かお子さんとの写真が飾ってあり、ワークライフバランスを推奨するとっても温かい雰囲気がでていました。極めつけは、「職員研究発表会」でしょう。本などでこのようなイベントをやっている会社があることは知っていましたが、八生会さんではけっこう昔から取り組んでいるそうです。予選会を通過した者のみが本選に出場でき、優秀賞にはハワイ研修旅行がプレゼントされたこともあるとのこと。これは、かなり本格的です。それ以外にも、採用の有無を問わず、何でもいいからアイデアをだしたら1回500円支給など、とにかく人材育成には熱い法人です。
私は栗野理事長の次のお言葉がいちばん参考になりました。
「経営資源でヒトがいちばん大事。社員教育はいちばん価値がある先行投資。売り上げはすぐに上がるものではない。社員に成長してもらうことがいちばんです。そして、自分だけが立派になるのではなく、立派な部下をどれだけもてるか。部下をどれだけ成長させることができたかの方が重要だと思います。」
私はこの言葉を聞くことができて、今回の現場リポートを行った価値がいっそう高まりました。藤田さんは3名の前でお話を聞かせていただきましたが、堂々として本当に立派でした。普通は、経営者や幹部職員の前では、緊張して上手く話せないものですが、「ひとりひとりの職員の可能性を信じる」八生会さんの教育方針の賜物だと思いました。

対談が終わってから、白木施設長が1時間以上かけて施設の案内をしていただきました。その中で、最後に私が注目した設備を4つだけ紹介させていただきます。③と④は私もいつか使わせていただければ嬉しいです!

①珍しい畳の応接室
①珍しい畳の応接室
②ホテル顔負けのゲストルーム
②ホテル顔負けのゲストルーム
③3D画面のカラオケルーム
③3D画面のカラオケルーム
④立派な研修センター
④立派な研修センター