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社会福祉法人 天竜厚生会様

地域に溶け込む福祉事業をめざす!

団体情報

団体名社会福祉法人 天竜厚生会
業務内容障がい者支援事業、高齢者支援事業、医療保健事業、子育て支援事業、福祉サービス事業、水道事業
所在地静岡県浜松市天竜区渡ケ島217-3
電話番号053-583-1110
FAX番号053-583-1224
ホームページhttp://www.tenryu-kohseikai.or.jp/
お話理事長 山本 たつ子 様

天竜厚生会設立のいきさつから教えてください

天竜厚生会は、「毎日の生活で、一番困っている人から受け入れ、サポートする施設を創ろう」と、昭和25年、結核回復者保護の任意団体として設立されました。その後、社会が安定すると、結核患者は減少し、かわって障がい者や高齢者への社会福祉ニーズが高まってきました。このときも、サポートがなければ生活できない人たちを最初に受け入れることが私たちの使命と、重度の身体・知的障がい者、寝たきり高齢者等の救護の役割を真っ先に考え、取り組んできました。
昭和45年当時、全国的にも少なかった、重度精神薄弱児の受け入れ施設として、「あかいし学園」を設置したのも、「他の施設が受け入れられない人を救いたい」という考え方からのスタートでした。

以降、天竜厚生会は常に、その時の社会のニーズは何かを敏感に感じ取り、今後どのような要望が発生するかを予想し、それらに応えることをモットーにして歩んできました。ニーズがあるから、必要な事業が誕生する。この繰り返しで、これまで下田から湖西市にいたる広域なエリアの方々がご利用されています。

理事長ご自身の思い出は?

私が働き出したのは昭和46年。天竜厚生会が大きく成長している時期で、自分も子育てをしながら、様々な新企画を託され、奮闘していました。当時から、施設の見学を希望する方は多くいましたが、「関心の無い人にこそ事業を発信し、意識を向けさせることが大事」と、研修センターに地域の人たちを集め、福祉について知識を深めてもらう勉強会を開催。私はその実務を命じられました。当時は、現在のように、専門分野毎に組織が整っていたわけではないので、少人数のスタッフで、さまざまな仕事をこなさねばならず、目の回る忙しさでしたが、やる気とパワーが漲り、とても充実していたことを覚えています。

創業当時から「福祉を慈善事業にしてはならない。生活ができる仕事として位置づけなくては、優秀な人材は集まらない」との考え方で、職員の給与体系を整え、八割を締める女性職員が働きやすい環境を充実させてきたことも、天竜厚生会の大きな誇りとなっています。特に子育て世代の就労支援は、早くからスタッフの要望が多く、育成手当を設定しましたが、その後、結局保育園そのものを創ることになりました。若いスタッフを後押しすることは、こうして助けられた経験から、次の世代に優しくなれるはず。次世代を助けていく有望な人材になってくれると期待しています。

ニーズの傾向と今後の目標は?

現在は、在宅の相談が多く、私たちが地域に出向き、地域の人が求めることに対し、具体的に応えていく事業が増えています。私たちはできるだけ、地域を見つめ、しっかりとその地域に向き合い、溶け込み、地域に可愛がってもらうことが大事だと考えています。

日本の社会福祉は、個を支援する仕組みがほとんどで、対象者の家族全体を支援する法律は、生活保護法くらいしかありません。ひとつの「点」のサービスから、いかに広く「面」のサービスにしていけるかが今後の大きな課題。対策のひとつとして包括センターができましたが、これだけではまだまだ解決できないことがたくさんあるのです。

そのため、社会福祉サービス機関同士が、競争ではなく互いに連携を組み、医療分野との連携拠点としての役割にも力を入れていくことが、私たちの大きな使命だと考えています。
「福祉教育」という言葉は、約30年の月日をかけてようやく一般的に定着してきました。地域の小学校や中学校などで、福祉教育が取り組まれていることは大変嬉しいことですが、反面、机上の理論だけで終ってしまっているのは残念に思います。福祉を学ぶことは、障がい者、高齢者と直接触れ合ってこそ理解が深まります。例えば、子供達が車椅子に乗ったおばあちゃんと言葉を交わし、ゲームを一緒にすることで、「車椅子に乗った人」という外面の印象ではなく、一人の「○○おばあちゃん」として心の対応ができるようになるのです。国は「地域全ての人が一緒に暮らす」という政策理念を打ち出していますが、なかなか実態が伴っていないのが現実です。交流する機会がなければ、福祉国家になることなど到底できません。静岡県は、全国的にみても、福祉に関して先端の県と言っても過言ではないのですから、地域に住む人ひとりひとりが、さらに福祉に関心を持ち、意識を高めていただきたい。そのためにも、私たちは社会が求めるニーズに合わせて、「これができる」という強みを広く発信し、皆様に付加価値を認めていただけるように今後も邁進していきたいと思っています。

未来を担う若きホープ 西野 琢 様のご紹介

この道を選んだきっかけ、仕事のやりがいを教えてください

福祉に興味を持ったのは高校時代。将来のことを考え、自分に何ができるかを考えていたとき、相談した先生から福祉分野を勧められたことがきっかけです。福祉大学に進学し、ますます興味が膨らみ、卒業後は社会福祉法人で働きたいとアンテナを張っていたところ、「天竜厚生会がいいよ」と話を聞いていたので、迷わず希望しました。
実際に就職できて本当に嬉しかったです。

新卒で働き始め、今年5年目。2年間は障がい者支援施設で介護の仕事に就きました。実際に施設で働き出したばかりのときは、やはり大学の実習と違い、大変なこともありましたが、利用者の方と直接話すことで、「自分はもっとこんなことができるんじゃないか」と意欲が湧いて、自分自身が大きく変化したと思います。
現在の総務部では、正規職員の給与担当。まるで転職したかのように業務が様変わりしたので、新たに勉強することが多く、戸惑うこともありましたが、ひとつひとつ自分を成長させてくれる実感があり、とてもやりがいを感じています。
天竜厚生会は社会福祉法人のなかでも、かなり大きな組織で、様々な事業を行っているので、多種多様な経験が積めることが大きなメリットです。「キャリアパス制度」という求職システムがあり、試験に合格すれば、自分の希望する職種に登録することができるので、これから自分がいろんな可能性にチャレンジさせてもらえる期待感を持っています。もちろん、自分では気づかない潜在的な適正を見出してもらい、それに合った職種を提案してもらえることも、自分のキャパシティを広げてもらえるよい経験です。これから積極的に新しい自分を開拓していきたいと思っています。

暮らしの中で活躍する溌剌看護師 市川 明美 様のご紹介

この道を選んだきっかけ、仕事のやりがいを教えてください

私は平成10年から天竜厚生会に入り、現在は地域包括支援センターで訪問看護を担当しています。もともと看護師として働いていましたが、子育ての間しばらく職を離れ、第二の人生の働き場所として、地域から信頼を受けている厚生会を選びました。
ブランクが長かったので、仕事に復帰する際は、不安もありましたが、職場はとても和気あいあいとした雰囲気。何よりスタッフひとりひとりが、「利用者様のために自分たちは何ができるか」というスタンスで働いているので、活気があり、とてもやりがいを持って仕事をさせていただいています。

福利厚生がしっかり整っていることもポイント。「良い仕事をするには、休息も大事」との考え方で、休みをしっかり取ることができます。また、自分にやる気があれば、さまざまな研修に参加させてもらえることも大変感謝しています。若いスタッフの定着率が高く、定年後も、自分の生活に合わせて働き続ける人が多いのは、こうした働きやすさが大きな理由だと思います。
思い返すと、平成12年に介護保険制度がスタートしたばかりの頃は、ケアマネージャー(介護支援専門員)という名前自体が、まだあまり浸透していなかったので、各家庭に伺うと、仕事以外の要望を受けることも多く、中には「魚を三枚におろして」とおっしゃる方も(笑)。こうした過渡期を経て、少しずつ在宅・訪問介護のサービスが整備されてきました。
私たちの仕事は、利用者から「あなたに介護してもらってよかった、ありがとう」と言っていただけて、本当に嬉しいです。私たちは、どのようなサービスができるのかをお示しするだけでなく、これから、より高度なサービスが提供ができるよう、社会のニーズに敏感になって

“笑顔の現場主義社労士”村松のコメント

今回は社会福祉事業の分野で全国的に著名な天竜厚生会様を現場リポートさせていただきました。もはや私の説明など不要なほど社会貢献されている会社です。私は生まれも育ちもずっと浜北なので、小さい頃から天竜厚生会様のことは知っており、いつか現場リポートさせていただけないかと思っていました。山本理事長とは浜松商工会議所の親睦会ではじめてご挨拶させていただきましたが、とても穏やかで優しそうな印象を受けました。今回、はじめてじっくりと山本理事長のお話を伺うことができましたが、山本理事長のお人柄も天竜厚生会という会社もやっぱり大変素晴らしいなと改めて実感しました。

まず、職員さんが皆明るく元気で前向きです。事務所に入る前に少しウロウロしていたところ、楽しそうにボールで遊んでいる職員さんたちを目撃したのですが、お昼休みとはいえ他の会社でこのような光景にはなかなかお目にかかることはないので驚きました。何と全体事業のレクリレーションでバレーボール大会があり、その練習をチームでしていたのでした。その中には、課長や主任など様々な立場の方が含まれており、本業でのチームワークの良さはこのような取り組みも影響しているのだと思いました。

西野さんと市川さんの2人ともおっしゃっているとおり、職員さんの教育制度「キャリアパス制度」がきっちり整備されており、職員さんがやりたいことをチャレンジさせてくれる、応援してくれる風土が根付いています。山本理事長が「自分から手を上げる姿勢を尊重している」とおっしゃっていましたが、その思想が教育制度のベースになっているのだなと思いました。

職員の賃金制度が整備され、福利厚生制度もとても充実しているように感じました。原則的にどこの部署へ配置転換されても、賃金ベースは統一されているとのこと。いろいろな職種を経験しながら成長していってほしいという天竜厚生会様の想いが込められていますね。職員さんも賃金が安定していれば、安心して長く働くことができます。山本理事長が「賃金を下げるなんてとんでもない」とおっしゃっていましたが、職員さんを想う熱い気持ちを感じました。

働きやすい福利厚生制度がたくさんあり、定着率がとても良いとのこと。女性は育児休暇を100%取得しており、何と男性も過去に2名取得した方がいたそうです。そのおかげでお子さんが3人、4人いる職員さんの割合が高いとのこと。あと、「職員低金利融資制度」というものもあるそうです。金融機関でもないのに、ここまでの手厚さには本当にビックリです。

山本理事長いわく。「天竜厚生会は、施設を増やそうとか事業を拡大しようとか考えたことは一切なく、社会から存在を認めていただき、社会的ニーズに答えてきた結果、今がある。そして、これからも地域と向き合い、地域のニーズに答えていきたい」とのこと。他県への進出や必要以上の事業拡大は考えていないとのことでした。天竜厚生会様のこのような誠実な経営方針が社会から信頼を得ている証だと感じました。

天竜厚生会様は何と、昭和56年~平成22年の30年間で、小中学校・高校・大学・自治会・子供会・婦人会などで、約15万人に各種実習を交えた福祉教育を行ってこられたとのこと。天竜厚生会様の私の予想をはるかに上回る社会貢献度の高さに感銘を受けました。これからも静岡県の福祉事業がより充実していくように、天竜厚生会様の取り組みに期待したいと思います。

最後になりますが、心温まる物語(実話)をひとつ紹介させていただきます。少し前まで、私の家の近くにちょうど天竜厚生会の職員さんが住んでいました。学校卒業後に天竜厚生会に入社が決まっている女の子でした。静岡新聞でも取り上げていただけましたが、浜北で大雪が降った翌朝、我が家の玄関先に手紙が添えられた可愛らしい「雪だるま」がそっと置かれていたのです。私の子供たちは「雪だるまさんって本当にいたんだね」と大喜び。こんな心温まる優しい行動がとれる女の子が働きたい会社が天竜厚生会なのです。天竜厚生会にはきっとこのような優しい職員さんがたくさんいるのだと思います。

①職員さんからいただいた雪だるまの新聞記事
①職員さんからいただいた雪だるまの新聞記事
②丘の上にそびえる広大な施設
②丘の上にそびえる広大な施設
③バレーボールの練習風景
③バレーボールの練習風景
④立派な研修センター
④立派な研修センター