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【 第106回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】「賃上げの動向について」
人手不足や物価上昇を背景に、2024年は大企業を中心に大幅な賃上げが実施されました。
しかし、中小企業の対応にはバラつきがあり、大幅な賃上げが難しい企業も少なくありません。
それでは、2025年の賃上げ動向はどうなるのでしょうか?2024年の状況を振り返りながら予想してみましょう。
実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!

昨年の春は多くの企業でベースアップが行われていましたね🏢
今年はどのような状況になるのでしょうか?

バブル崩壊以降、日本の賃金は30年間ほぼ上昇していませんでしたが、2024年と2023年は物価高騰などの状況から久しぶりの賃上げが行われました。
連合(日本労働組合総連合会)の集計によれば、2024年の賃上げ平均は全体で15,281円・5.10%の賃上げ、99人以下の中小企業では9,626円・3.98%の賃上げと近年には見られなかった高水準となりました。
今年も春闘が始まっていますが、昨年同等か、それ以上の賃上げになる可能性もありますね。

近は初任給もかなり高くなっているようですね💴

多くの企業が新卒採用に苦戦する中、採用競争力を上げようと、初任給の引き上げを進めています。
2024年4月入社の大卒新入社員の平均初任給は前年比+8,375 円の225,457円(産労総合研究所調査)となっていますが、今年も同程度の引き上げになる可能性が高いです。
また、今年は一部の大手企業で30万円を超える初任給を設定するような事例も増えており、今後、初任給については更なる高騰が予想されます。

中小企業がその動きにどこまで追随できるかはわかりませんが、初任給がそれだけ上昇すると先輩社員との賃金逆転に注意しなければいけませんね。

その通りです。
通常は賃金の逆転が起こらないように20代の社員を中心にベースアップを行うことになりますが、それによる30代以上の社員の不満も大きくなるため、賃金カーブ全体の見直しを行う企業もでてくるでしょう。

確かにそうですね。
昨年、過去最大の引き上げになった最低賃金の動向はいかがでしょうか?

最低賃金については政府の総合経済対策の中で、2020年代のうちに全国加重平均で1,500円を実現するという方針が示されています。
これを実現しようとすると、毎年7%程度の引き上げが必要となります。
今年については、昨年以上の最低賃金引き上げになる可能性が高いと思われます。

企業の負担はますます大きくなりそうですね🤨
今後も継続的に賃金水準は上昇を続けることを見通して、賃金制度の見直しや生産性向上等を検討したいと思います。
ありがとうございました✨
POINT
① 今年についても昨年同等か、それ以上の賃上げが予想される。
② 政府の総合経済対策で、2020年代のうちに最低賃金を全国加重平均で1,500円を実現するという方針が示されている。
■参考サイト
・日本労働組合総連合会 「2024春季生活闘争 第7回(最終)回答集計結果について~」
・産労総合研究所 「2024年度 決定初任給調査」
・厚生労働省 「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」