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【 第87回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】「労災の死傷病報告の提出について」
労働災害が発生し、労働者が休業・死亡した際には、労働基準監督署に労働者死傷病報告(以下、「死傷病報告」という)を提出することが義務付けられています。
この提出を怠ると、労災かくしとして問題になります。
死傷病報告の提出に関して誤解しやすい点を確認してみましょう。
実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!
以前、工場で働く従業員がケガをして2週間ほど自宅療養したことがありました。
その際、死傷病報告を提出したのですが、この死傷病報告をまとめて提出する場合があると聞きました。
どういうことでしょうか❓
労働災害の程度によって異なる‟死傷病報告の提出期限”が関係しています。
そもそも、この死傷病報告は労働安全衛生法において、同様の労働災害の再発防止のための対策を検討することを目的として提出義務が課せられています。
死傷病報告には、労働災害の程度により2種類の様式があり、死亡および休業4日以上の場合(様式第23号)と休業4日未満の場合(様式第24号)とに分かれます。
この提出期限が、死亡および休業4日以上の場合は遅滞なく、休業4日未満の場合は四半期ごとの翌月末日までとなっています。
四半期ごとの翌月末日まで ですか??
具体的には以下の期間ごとに発生した労働災害をまとめて報告することになります📃
1~ 3月分 4月末日までに報告
4~ 6月分 7月末日までに報告
7~ 9月分 10月末日までに報告
10~12月分 1月末日までに報告
なお、提出先はいずれも管轄する労働基準監督署です。
様式が2種類あったのですね。
知りませんでした🙄
以前は2週間ほど休業したので、4日以上の場合の様式で作成して、遅滞なく労働基準監督署に提出したのですね。
その通りです。
死傷病報告の提出に関して、労災保険の休業補償給付を受けたときに提出するものだと誤解しているケースがありますが、労災保険の給付の有無に関わらず、労働災害が発生して死亡または休業した場合に提出が必要です。
なお、通勤途上の災害による休業や死亡の場合には、提出は不要です。
故意に死傷病報告を提出しない、または虚偽の内容を記載した死傷病報告を提出する『労災かくし』は違法行為であり、被災労働者も十分な治療を受けられないこともあるため問題になっています。
分かりました。
今後もしも労働災害が発生した時には気をつけて手続きするようにしたいと思います。
このほかに、派遣労働者が労働災害にあった場合は、派遣元事業主・派遣先事業主ともに管轄する労働基準監督署へ死傷病報告を提出する義務があります。
両方から提出しないといけないのですか?
そうです。
流れとしては、まず派遣先事業主が管轄する労働基準監督署に死傷病報告を提出し、その写しを派遣元事業主に送付します。
派遣元事業主はその写しの内容を踏まえて死傷病報告を作成し、派遣元を管轄する労働基準監督署に提出を行います。
死傷病報告の提出には色々なケースが考えられますね🤔
また必要な時には詳しく教えてください!
ありがとうございました😀
POINT
①死傷病報告には2種類の様式、死亡および休業4日以上の場合(様式第23号)と休業4日未満の場合(様式第24号)がある。
②提出期限は、死亡および休業4日以上の場合は遅滞なく、休業4日未満の場合は四半期ごとの翌月末日まで。
■参考リンク
厚生労働省「労災かくしとは何ですか。」
厚生労働省「労働者死傷病報告(休業4日以上)様式」
厚生労働省「労働者死傷病報告の提出の仕方を教えて下さい。」