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【 第43回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】 「解雇の留意点」
近年では、新型コロナウイルスの影響で経営が悪化し、解雇や雇止めなどの事例が増えています。
解雇を行う際には様々な注意点があり、トラブルとならないようにする必要があります。
実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!
知り合いの会社で業績が悪化し「仕方がなく解雇を行った」と聞きました。
当社では、まだ解雇は考えていないのですが、万が一の時に備えて解雇に関して教えてほしいです。
解雇とは、使用者(会社)からの申出による一方的な雇用契約の終了のことをいいます。
使用者がいつでも自由に行えるというものではなく、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、雇用契約を終了させることはできません。
解雇には、「普通解雇」・「整理解雇」・「懲戒解雇」などがあります。
主に3つの解雇の種類があるんですね。
それぞれどのような内容になりますか?
①普通解雇とは、整理解雇や懲戒解雇以外の解雇で、労働契約の継続が困難な事情があるときに行う解雇です。
例えば…
・勤務成績が著しく悪く、指導を行っても改善の見込みがないとき
・健康上の理由で、長期にわたり職場復帰が見込めないとき
・著しく協調性に欠けるため業務に支障を生じさせ、改善の見込みがないとき
②整理解雇とは、使用者が不況や経営不振などの理由により解雇せざるを得ない場合に、人員削減のために行う解雇をいいます。
次の4点を満たすことが必要で、整理解雇が有効か厳しく判断されます。
・人員削減の必要性
人員削減措置の実施が、不況・経営不振などによる企業経営上の十分な必要性に基づいているか。
・解雇回避の努力
配置転換・希望退職者の募集など他の手段によって解雇回避のための努力をしているか。
・人選の合理性
整理解雇の対象者を決める基準が客観的・合理的で、その運用も公正であるか。
・解雇手続の妥当性
労働者等に対して、解雇の必要性とその時期・規模・方法について納得を得るために説明を行っているか。
③懲戒解雇とは、従業員が極めて悪質な規律違反や非行を行ったときに懲戒処分として行うための解雇です。
あらかじめ就業規則や労働契約書にその要件を具体的に明示しておくことが必要です。
解雇ができない状況はありますか?
以下のような期間や理由は、法律で解雇が禁止されています。
[労働基準法]
・業務上の傷病による休業期間及びその後30日間の解雇
・産前産後の休業期間及びその後30日間の解雇
・労働基準監督署に申告したことを理由とする解雇
[男女雇用機会均等法]
・女性(男性)であること、女性の婚姻・妊娠・出産・産前産後休業等を理由とする解雇
[育児・介護休業法]
・育児・介護休業等の申出等をしたこと、育児・介護休業等を取得したことを理由とする解雇
労働者を守るために、解雇が禁止されている期間があるんですね。
他に解雇の注意点はありますか?
解雇をするときは、少なくともその30日前に解雇の予告をするか、予告を行わない場合には30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります。
「退職勧奨」という言葉も聞いたことがあるのですが…
「退職勧奨」とは、使用者が労働者に対して退職を勧めることをいいます。
労働者の自由意思により、その勧奨に応じる場合は問題となりません。
一方で、使用者が労働者の自由な意思による決定を妨げる勧奨は、違法な権利侵害に当たると判断される場合があるため注意が必要です。
いずれにせよ何か心配事があったら、早めに 村松事務所へ 相談してくださいね。
一言に解雇と言っても、様々な種類や規制があるんですね!
とても勉強になりました、
今後も解雇をするような状況にならないように、上司にも説明しようと思います。
ありがとうございました!!
POINT
①解雇には、「普通解雇」・「整理解雇」・「懲戒解雇」がある。
②解雇が禁止されている期間や理由がある。
③解雇をする際には、少なくともその30日前に解雇の予告をするか、予告を行わない場合には30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要がある。