お役立ち情報・BLOG
【 第18回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】 「年次有給休暇の時季指定について」
前回(2022.04.28)は”年次有給休暇の付与について”ご説明しましたが、今回は”年5日の『時季指定義務』について”確認したいと思います。
2019年4月の改正により、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。
実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!
年5日の年休の取得義務について教えてください。
年休が10日以上の社員には会社から『時季指定』をしないといけないのですか?
2019年4月の改正により、使用者は法定の年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対し、毎年5日間、
年次有給休暇を確実に取得させることが必要となりました。
これは、「使用者による時季指定」、「労働者自らの請求・取得」、「年次有給休暇の計画的付与制度による取得」 のいずれかの方法により労働者に年5日以上の年次有給休暇を取得させるというもので、これらいずれかの方法により労働者が取得した年次有給休暇の合計が5日に達した時点で、使用者から時季指定をする必要はなく、また、することもできないというものです。
社員が自分から5日取得すれば、時季指定は必要ないのですね。
では社員が5日取得せず、会社が時季指定しても5日取得できなかった場合、法違反になるのでしょうか?
会社の時季指定による年休の付与は、会社が年5日分の年休の時季指定をしただけでは足りず、実際に基準日から1年以内に5日取得していなければ法違反として取り扱われます。
労働基準監督署の監督指導において法違反が認められた場合には、原則として是正に向けての指導を受け、改善を図ることとなります。
場合によっては罰則が科されることもあるので、確実に5日取得させるようチェック体制の確立が求められます。
< 参考 >
【労働基準法 第39条第7項】年5日の年休取得義務 に違反すると・・
【労働基準法 第120条】違反者 ”1人” につき ”30万円以下の罰金” の罰則規定があります!
社員全員への十分な注意が必要です…
当社では管理表を作成していますが、確実に5日取得するように会社側でも再度チェックしないといけませんね。
例えば、
①基準日から一定期間経過(6か月後など)したタイミングで、取得日数が5日未満の社員に時季指定をする
②過去の実績を見て取得日数が少ない社員には基準日に時季指定をする
ことで、効率的な管理ができます。
わかりました。管理表を見直してみます。
時季指定する場合、半日単位での年休取得としてもよいですか?
時季指定に当たって、労働者の意見を聴いた際…
半日単位での年休取得の希望があった場合には、半日(0.5日)単位で取得することとして差し支えありません。
また時季指定を行う場合の注意点として、休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項であるため、
①時季指定の対象となる労働者の範囲
②時季指定の方法
の2つは必ず記載が必要です。
なお、時間単位の年次有給休暇については、使用者による時季指定の対象とはならず、労働者が自ら取得した場合も、その時間分を5日から控除することはできません!
ご注意くださいね。
働き方改革特設サイト | 厚生労働省 の『年次有給休暇の時季指定』
をご参考になさってくださいね。
就業規則も確認してみます👀
ありがとうございました。
POINT
POINT
①法定の年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対し、年5日の年休を取得させることが使用者の義務
②時季指定を行う以外に、年次有給休暇取得計画表の作成や、計画的付与制度の活用などの方法がある
🌷 厚生労働省サイト『年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説』をご確認ください