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【 第10回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】 「シフト制」の留意点
「シフト制」で労働日や労働時間を決定・変更する際の留意点ご存じですか?
労働契約では、労働日や労働時間をあらかじめ確定させた上で契約を締結することが原則です。
一定期間ごとに作成される勤務表や勤務シフトなどで初めて具体的な労働日や労働時間が確定する「シフト制」により労働契約を締結することも多くみられます。
具体的な「シフト制」の注意点を確認してみます。
実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!
当社では、たくさんの従業員がシフト制で働いています。
他社では、コロナ禍でシフト制の従業員の勤務時間を減らし、トラブルになったとも聞きました。
従業員に気持ちよく働いてもらうための『シフト制の注意点』はありますか?
シフト制には「従業員に合った働き方ができる」など様々なメリットがあります。
しかし近年では、会社都合で勤務時間を設定し「給料が少なくなり、生活が厳しくなった」などのトラブルが増えています。
そのような状況の中、2022年1月に厚生労働省は『「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項』を公表しました。
そのようなものが公表されていたのですね!
知りませんでした…
特に気を付けた方が良いポイントはありますか?
労働契約の締結の際、労働者に対して「始業および終業の時刻」や「休日」に関する事項などを書面により明示する義務があります。
シフト制の場合、具体的な労働日や労働時間などを「シフトによる」と記載しているケースがありますが、すでに始業や終業時刻が確定している日についてはこの記載では足りません。
労働日ごとの始業および終業時刻を明記するか、原則的な始業や終業時刻を記載した上で、一定期間のシフト表をあわせて労働者に交付するなどの対応が必要です。
他にも、シフト表を労働者に通知する期限や方法等を定めておき、労働者に分かるようにすると良いでしょう。
シフト制でも明記するべき事項があるんですね!
他にはどのような注意点がありますか?
労働者が労働契約の内容の理解を深めるために、労働日や労働時間等について、基本的な考え方をあらかじめ労働契約で決めておくことが望まれます。
例えば、以下のような事項について、会社と労働者で話し合い、合意しておくことが考えられます。
・ 一定の期間において、労働する可能性がある最大の日数、時間数、時間帯
[ 例 ] 毎週月・木曜日から勤務する日をシフトで指定する
・ 一定の期間において、目安となる労働日数、労働時間数
[ 例 ]1ヶ月○日程度勤務、1週間当たり平均○時間勤務
なるほど ❢
お互いに合意しておくことで、従業員も安心して働くことができますね😊
労働日や労働時間の変更についても注意が必要です。
基本的に、一旦シフトを確定させた後にそのシフト上の労働日や労働時間等を変更することは、労働条件の変更にあたります。
そのため、会社と労働者双方が合意した上で行うことが必要です。
シフトの変更に関するルールとして、シフトの期間開始前に、確定したシフト表の労働日・労働時間等の変更を会社・労働者が申し出る場合の期限や手続等についても、あらかじめ決めておくことが考えられます。
その他にも留意事項はあります。厚生労働省・シフト制労働契約簡易チェックリストもありますので利用してみると良いでしょう。
シフト制を採用している会社は、適切に運用ができているのか確認する良い機会ですね!
当社でも早速確認したいと思います。
ありがとうございました。
POINT
① 2022年1月に厚生労働省から『「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項』が、公表された。
厚生労働省サイト:https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000870906.pdf
➁ シフト制の労働契約の締結にあたって、確定している「始業・就業の時刻」や「休日」は明記する必要がある。
③ 労働日や労働時間、シフトの変更に関するルールについては、会社と労働者で合意しておくことが望ましい。