金田工業株式会社様
風通しの良い快適な職場環境を目指して
企業情報
企業名 | 金田工業株式会社 |
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業務内容 | 2輪車・4輪車のパワートレイン部品、汎用機械、建設機械部品の製造 |
所在地 | 静岡県浜松市中央区高丘東三丁目18番5号 |
電話番号 | 053-436-1211 |
FAX番号 | 053-436-2941 |
ホームページ | https://www.kanetakogyo.co.jp/ |
お話 | 代表取締役社長 平山 智明 様 |
社員の元気が会社を動かす原動力
会社経営で最も大切にしているのは、社員全員が明るく元気に働ける環境です。そのような環境があれば、自然と会社の成長につながると確信しています。そのために、風通しの良い職場を心がけ、全員が情報を共有し自由に意見を言い合える環境にしたいと考えています。
例えば、係長以上が出席する月例のミーティングでは、販売状況、品質、収益といった重要なデータを共有しています。更に全社員が会社の現状と方針を理解できるように、課内でのミーティングの時間を確保し情報を共有できる仕組みを整えました。
ミーティング資料による情報共有の強化
月例ミーティング『Monthly Communication Meeting』の資料は全社員に共有しています。会社の状況が分かり、社員の元気が出るような内容を心がけています。具体的には、生産計画や各部門の成功事例、海外拠点の状況、スポーツ大会などの社内イベントの様子も掲載しています。さらには最後のページに私自身のメッセージを発信しています。こうした情報の可視化は、全社員一丸となって同じ目標に向かって進むための基盤となっていると思っています。
社員の評価制度について
社員の評価は感覚的に行うべきではないと考えています。
評価を適切に行うために、当社では行動評価と業績評価の2つの軸を設けています。行動評価では、職務ごとに期待される行動や姿勢を具体的に定め、それに基づいて評価を行います。一方、業績評価については、年度初めに目標を設定しています。職務ごとに行動評価と業績評価のウエイトが異なるため、どの部分を重視するかを見直し、今年から新しい評価制度を導入しました。合わせて賃金制度も見直しました。
また、上司が定期的に1対1の面談を実施し、各社員に対してフィードバックを行っています。評価のポイントや今後の成長に向けたアドバイスを伝え、社員が自身の評価としっかり向き合える環境を整えています。特に若手社員のやりがいや目標意識も大きく変わってきており、今後の離職率低下にもつながると考えています。
また、このような評価・賃金制度を、労働組合の意見も確認しながら整備できたことも大きな成果です。
充実している研修制度
新入社員に対して、今年から9ヶ月間の教育プログラムをスタートさせました。この手厚いプログラムが魅力だと感じて入社してきた新人もいます。
他にも、30歳以下の若手社員を対象に外部研修も行っています。毎年方広寺にお世話になっており、外部講師による研修だけでなく、お寺ならではの写経、座禅、掃除など、普段の職場では体験できない貴重な時間も経験させてもらっています。私にとっても若手社員の本音を聞くことができる非常に有意義な時間です。
このような研修は、社員のスキル向上だけではなく、参加者同士が自然と打ち解け絆を深める良い機会にもなっています。
社員に喜ばれる職場環境づくり
社員が働きやすく快適な職場環境を目指しています。
例えば、社員食堂では会社の費用負担を増やし、低額で美味しい給食を提供しています。大盛りも自由で、人気のメニューが売り切れてしまう日もあります。その結果、食堂の利用率は30%向上し食材が残ることも減り、給食会社のスタッフにも喜ばれています。インドネシアの海外子会社から出向している社員に対しては、宗教的な理由で特定の食事ができないため、お弁当の用意もしています。
また、近年の猛暑に対応するため、工場の空調設備を大幅に強化しています。継続して改善していきたいと思っています。
社員からは様々な要望があり全てに応えることはできませんが、少しずつでも社員のために会社が動けば、“人”を大切にしていることが伝わると信じています。給料を支払うことだけが大切ではなく、職場環境を整えることも社員への還元の一つだと考えています。
ワンチームの力 -全社員が一つになって-
理想とするのは、全社員が『ワンチーム』として動ける会社です。部門ごとに動くのではなく、会社全体が一つの大きなチームとなり、協力し合って目標を達成する姿勢を大事にしています。
例えば、今まではそれぞれの工場が独立して仕事を運営する意識が強くありました。工場間で繁閑は差が出ますが、せっかく同じ会社なのだからもっと連携しようよということで、今では工場を超えてお互いフレキシブルにサポートし合っています。人事の仕組みも改善してジョブローテーションにも力を入れています。他の工場で働くことで他部署の仕事もよく分かるようになり、各人の仕事の幅が広がっています。
また、これまで女性は夜勤をしていませんでしたが、今では希望に基づいて女性も夜勤をこなし活躍しています。
このような業務改善によって、部署を超えて助け合って仕事をしようという雰囲気が生まれています。会社は明るく働きやすくなっていると思います。
今後のビジョン -共に成長し、未来を築く-
全社員がワンチームとなって動く会社になれるように、今後も継続して仕組みを整えたいと思っています。その中でもリーダーの役割は大切です。リーダーはみんなの力を最大限に引き出し、会社を前進させる重要な存在です。社員の成長を自分の成長と捉え共に成長し、未来に進むことを楽しむ姿勢が大切だと思います。
今後も風通しよく働きやすい仕組みづくりを進め、社員が元気でやりがいを持てる職場環境を目指したいと思います。そうすれば会社全体の業績も自然と向上していくと信じています。
管理職研修 「職場のワークハラスメント」
村松が金田工業様の管理職30名に「職場のワークハラスメント」をテーマに研修をいたしました。2022年4月から、パワーハラスメント防止措置が全企業に義務化されています。しかし、ハラスメントの境界が分かりづらく多様化しているため、誰もが加害者・被害者になりえます。ハラスメントを正しく理解していただくために、どのような行為が該当するのか、また発生する背景や対処方法をお話いたしました。
参加された皆様は真剣な表情でメモを取りながら受講していただき、ハラスメントに対する関心の高さを実感しました。今回の研修が少しでも風通しのよい環境づくりに貢献できれば幸いです。
“笑顔の現場主義社労士”村松のコメント
金田工業様は弊事務所の顧問先の中でも労務管理に対する意識が高い有数の会社です。平山社長を中心としてとにかく組織改革に積極的に取り組まれています。
今回は管理職研修の依頼をいただいたので、平山社長の経営理念もみっちりお伺いさせていただくことができました。元々は大手企業にいらっしゃった平山社長だからこそ、客観的に中堅企業の従業員の細部まで見ることができ、改革がやり易いというお言葉には共感いたしました。
従業員とのコミュニケーションを大切にされ、ミーティングの回数を増やし、情報共有・見える化も強化しています。手作りでここまで完成度の高い社内報(Monthly Communication Meeting)はなかなか見かけることはありません。正しく従業員との関係性づくりは会社の業績につながることを証明する取り組みだと思います。
人事制度改革にも取り組まれており、行き過ぎた年功序列制度を撤廃し、職務等級制度を導入することにより、若手従業員のモチベーションアップをはかっております。今まで多くの会社の人事制度を見てきましたが、自社でここまでしっかりと人事制度改革に取り組まれた会社はあまり見たことがありません。しかも、労働組合の意見もその都度しっかり聞きながら、一体感をもって推進されたことは本当に素晴らしいと思います。
リスキリング(社会人の学び直し)が社会的にも重要になっておりますが、9ヶ月間の教育プログラムに魅力を感じて入社した社員もいるくらい社員教育にも力を入れている点も素晴らしいと思います。方広寺研修には私も興味がありますので、機会がありましたらぜひ一緒に参加してみたいと思います。
社員食堂で給食もご一緒させていただきましたが、以前よりも約30%利用する従業員が増えて、給食会社の従業員も喜んでいるとのこと。自社の従業員だけでなく、取引先の従業員のモチベーションのことまで考えている金田工業様には感激いたしました。正しくSDGSに対する取り組みの一つではないでしょうか。
本当に温かみがあって誠実な企業だと実感しておりますので、これからもしっかり支援させていただきたいと思います。