お役立ち情報・BLOG
【 第20回・労務管理を会話で学ぶ 🤔 】 「就業規則の効力発生…周知とは?」
就業規則は“どの時点で効力のあるもの!となるのか?”ご存じでしょうか?
みなさんご存じの通り、10人以上労働者を使用している事業場(本社・支店・営業所・店舗等)では、就業規則を作成し労働者の過半数を代表する者の意見書を添えて、所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。
届け出すると、会社の控えとして受理印を押印の上返却され、これで就業規則の作成・届け出手続きは完了します。
が、就業規則は『届け出でおわり』ではありません!
実際の現場では、リアルな疑問が?? 早速、現場をのぞいてみましょう!
当社では、本社、A営業所、B工場の3か所でそれぞれ10人以上の社員が勤務しているので就業規則もそれぞれ”作成→届け出 ”を行っています。
『届け出でおわり』ではないとは??
注意したいのは、届け出た際に受理印が押印されていることをもって、労働基準監督署の「お墨付き」を得たわけではない!ということです。
なぜなら、受理されたとしても…
①労働基準法を下回る部分は無効である
②受理印をもって就業規則の内容が適法であるとか、内容や変更について合理性があると
保証したものでない
③労働者との労働契約内容になることを保証したものではない
ことを前提に受理したという趣旨で押印したにすぎないからです。
そうなんですね。
確かに「労働基準法を下回る場合は無効ですよ。」と、聞いたことがあります。
でも、当社の就業規則は、法令遵守で作成しているので問題ないように思いますが・・・🤔
内容的には大丈夫でも、就業規則を効力のあるものにするには周知することが必要となります。
社員に周知されて初めて有効となるのです。
周知には、どのような方法がありますか?
労働基準法では、次の①~③の方法によることとされています。
①常時各作業場の見やすい場所に掲示し、または備え付ける
②労働者に書面で交付する
③磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずるものに記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する
当社は、③になるのかなぁ。
編集出来ないようにデータ化して、いつでも社員が閲覧できるようにパソコンを人事部に設置しています。
パソコンが不得手な社員には人事部がフォローしています。
③は分かりにくいですが、御社のようにパソコン等の機器を用いて常時確認することが出来ることを想定しています。
①の場合、「就業規則は大事だから社長室の金庫内に保管する」など自由に社員が読めない環境は周知ではありません。
作業場でなくても食堂などに備え付けて、実質的に就業規則の内容を知り得る状態に置いておけば大丈夫です。
②の場合、周知としては最も確実ですが、外部への漏洩に注意が必要です。
知り合いの会社では「就業規則を作成してしっかり周知していたが、労働基準監督署への届け出をうっかりしていた…」と、聞きました。
この就業規則は、無効でしょうか?
いいえ、この場合の就業規則は「有効」となり効力を生じています。
ただし、届け出義務があるのですぐに届け出ないといけません。
わかりました。
ありがとうございました。
POINT
①就業規則は届け出でおわりではない!
②就業規則は周知されたら有効
③周知なされていない場合、30万円以下の罰金を科される恐れもある(労働基準法第120条)